うつ病の治療について

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それではうつ病になった場合の治療方法をみていきましょう。それぞれ個別の症状にあった方法が必要ですが、大まかには休養をとるといったことと、投薬治療に分けられます。一般的にいわれているのが心や頭が忙しく働きすぎて回復できなくなり、症状が重くなってしまうということなので、仕事や学校を休んで十分な休養を取ることが効果的といわれています。次に投薬治療ですが、風邪やアレルギーの症状を抑制するように、脳の伝達物質の働きを改善させるための投薬治療も効果的といわれており、休養と投薬治療を併用して行なうことが多いです。
近年ではそのほかにもさまざまな治療方法があり、そのひとつが認知行動療法と呼ばれるものです。認知行動療法とは心理学的なアプローチ方法であり、ストレスの原因や感情を自分自身でコントロールすることが出来るように取り組むものです。最近その効果は認められてきており、新たなうつ病治療として注目されています。心理学的なアプローチ以外にも、身体的なアプローチ方法や、他にも新しい方法がありますので、それらもあわせて紹介していきたいと思います。
まず、光トポグラフィー検査というものがあります。これは血液の流れを測定し、うつ病にかかっているか、どんな種類のうつ病か、どんな治療や投薬が必要か、などをくわしく調べるのに適しています。測定するところは脳の前頭葉や側頭葉です。この部分の血液の流れを調べれば、現在どんな心理状態にあるかある程度わかってきます。
これまでのうつ病の診断では、医者のカウンセリングによるところが大きかったですが、こういった客観的な身体検査でうつ病の症状をみることにより、診断の正確性が向上することが期待できます。光トポグラフィーは具体的にどんな検査を行なうのでしょうか。基本的に検査の時間は15分程度であり、患者は特殊なヘッドセットを付け、医者の質問に応えていく過程で赤外線で前頭葉や側頭葉の血流をはかります。この診断は医者の診断と照らし合わせることで、患者の状態を詳しく知ることができます。一番のメリットは双極性のうつ病かどうかなどもこの検査でわかることがあることです。このように身体的な観点から患者を検査することで、カウンセリングのやり方も変わってくるなど、より精度の高い治療につなげることが出来ます。
では前頭葉や側頭葉の血液の流れを改善するためにはどういった方法があるのでしょうか。現在は電磁気によって血液の流れを改善するための治療方法があり、電磁気をつかいピンポイントで脳に刺激を与えることで、血流を改善させることができます。なぜこのような刺激を与えることが血液の流れを改善することにつながるのかくわしいことはわかっていませんが、一定の効果をあげる治療法ということで注目度が高くなっています。もうすこし細かく説明すると、あたまにコイルの入った機械をあてて、10分間ほど微弱な電流を流します。刺激はすこしなのでそのあとに何か障害が起こったりする心配はありません。この方法は今も改良をつづけて、よりうつ病患者の治療の助けになるようになってきています。
このようにうつ病に対していろいろな治療方法がでてきていますが、一般的にうつ病治療には時間がかかります。特定の治療法で一気に良くなるということではなく、周りのサポートを含め長期的な目線がかならず必要になりますので、あせらず長い時間をかけるということをまず心がけてみてください。うつ病はなおったかな?と思っても再発するケースが多いです。長期的な目線をみんながもっていれば、それがより根本的な治療につながるでしょう。とくに注意したほうがいい点は、担当医の指示でクスリなどを飲んでいる場合、かならず療法を守るということです。規定よりクスリを飲みすぎてしまえば副作用などが出やすくなったりと、からだに他の症状が出てきてしまいます。つらくても相談する前に自分で規定より多く飲んだりすることがないようにしましょう。また、よくあるのが自分で良くなったと思いこんでクスリの量をへらしたり、飲むのをやめてしまったりということがあります。先程も申し上げたとおり、うつ病は再発するケースが多いので、自分の判断でなく、治ってきたと思ったらまず医者に相談し、それからクスリの量を減らすなどしていけば、再発するリスクもそれだけ抑えることができます。
そしてうつ病治療には、急性期、回復期、再発予防期など症状や期間にあわせておおまかにわけられ、その都度最適な治療がされていきます。自分が今どの段階にいるのか、自己判断でなく医者とよく相談し、いまどういう治療をするべきかあせらずにしっかりと受け止めて、うつ病の回復につなげていきましょう。
最後にうつ病の治療は医者と患者だけで完結するものではありません。家族や職場のかたもうつ病についての知識を深め、うつ病はしっかりとしたサポートがあればより治る可能性が高くなるということを意識してみましょう。
あせらずにゆっくりと治療をしていこうと自分自身もまわりも考えていくことが根本的な解決への第一歩であるとともにいちばん重要なこととなります。